不安で退屈な時間
2010年 02月 27日
「テレビは強制的に貴重な時間を奪う。
貴重というのは、その時間にすばらしい事ができるのに、というのではない。
退屈で不安な時間を奪うからこそ、テレビは敵なのだ。
不安で退屈だから、人は考え何かつくろうとする」
この一節は、沢木耕太郎の若いころのルポルタージュ「人の砂漠」の中、
実在する養護施設の施設長が語った言葉として綴られている。
「不安で退屈な時間こそが、実はとっても大事なのだ」
という施設長の考えに私もうなずいてしまった。テレビ番組を作っているくせに。
例えば現代の子どもたち・・・。ちょっと暇があると携帯ゲーム。
バスの中でも、歩きながらも、家族とレストランで食事しながらも、ピコピコ。
周りを観察するよりも、ゲームの画面を見ている時間のほうが長いに違いない。
大人たちも・・・。電車ではi-Pod、携帯メール、家ではテレビ、パソコン、などなど。
世の中、退屈な時間を、簡単に埋めてくれるもので溢れている。
このブログも、その中の一つだけれどね。ブログ自体が退屈かも、だけれども。
多分、今までの人類史上、もっとも「退屈な時間がない」のが、現代日本人だろう。
手軽に手に入る、仮想のスリルや喜び・・・。仮想の感動。
その刺激の量も、かつて人類が経験したことのないほどだ。
どっちにしても、本人が幸せと感じて生きていければいいのだろうか。
それとも、間違った方向に向かっているのだろうか。
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