ディレクター込山正徳の個人的ぼやき


by papanamida

信友さんという、ドキュメンタリー作家

このあいだの日曜日、フジテレビの「ザ・ノンフィクション」で
「おっぱいと東京タワー」というドキュメンタリーを放送していたのです。

40歳代の女性ディレクター、信友直子さん自身の乳がん手術を軸にしながら、彼女の生い立ちや
この数年間の不運について描いていました。卵巣摘出、インドでの列車事故で骨盤骨折、そして乳がん。
信じられないほどの不運が彼女を襲いました。

番組では、がんに罹った自分の胸や、抗がん剤によって髪の毛が抜けていく様子などを、
赤裸々に、映していました。その勇気に感服します。

実は、このディレクター信友さんと私は、旧知の仲なのです。
今から20年以上も前、私も信友さんも20代の頃、一緒に組んで、数本のドキュメンタリーを作りました。

当時は信友さんがプロデューサー、私がディレクターという立場。
最初は「餃子」や「カレー」などグルメ特集のようなものを、二本作りました。

「もっと、過激で面白いことをやりたいねえ」と2人で、意気投合。
フジテレビの編成局に、なんのツテもないのに、いきなり電話して
「深夜のドキュメンタリーをやらせてください!」と頼み込んだ。
当時の編成局の人が、会ってくれて、「それなら、すぐに企画を出せ」という。

2人で「自衛隊リクルート」という企画を出したら、すぐ通った。
しかし、その企画は、防衛庁の諸事情から頓挫し、すぐに別ネタに差し替えた。
それが、「だまされる女心・キャッチセールス」だ。
街角でキャッチセールスに捕まり、オフィスに連れて行かれ、契約を結ばされるという
プロセスを、隠しカメラによって撮影。悪徳商法の手口を迫力あるリアルな映像で描いた。
信友さんは、ガラの悪いキャッチの兄さんに
「なにやっているんですか?」としつこく迫り、タバコの火を押し付けられたりしていた。
そんな捨て身で撮ってきた映像は迫力があった。
当時は、小型カメラを多用した映像が珍しく、過激でパンチのある番組となった。

そのほかにも、信友さんとは「曲がり角に立つ、平成の右翼」
「部落差別の現在進行形」など、
深夜の「NONFIX」という番組枠で、今まで放送局が避けていたネタをあえて制作し放送した。

制作途中、信友さんとは何度も議論を交わした。
信友さんは、東大卒で、その知識と記憶力はスゴイモノがあった。
深夜まで、激論交わしながら番組を作っていった。

そうゆう意味では、信友さんは「面白いドキュメンタリーを作りたい」という想いを共有した戦友だ。

先週、放送したのが、私の制作した「焼肉ドタンバ物語3」。
翌週が信友さんの制作した「おっぱいと東京タワー」。
二週連続で、私たちの番組が放送されたのは記念すべきことだったのです。

信友さんは、数々の不運を潜り抜け、「幸せのハードルが低くなったから、今は幸せ」
語っていたが、説得力のある言葉だった。

信友さんには、これからも迫力アル作品を作っていってほしい。
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by papanamida | 2009-12-08 14:29