沈まぬ太陽。渡辺謙さんカッコよすぎで・・・。
2009年 11月 11日
以下、ざっくりとした感想です。
誰が見てもJAL日本航空のことを描いているのに、NAL国民航空として描いているところがまず、面白い。
おなじみの鶴のロゴは、桜のロゴになっていた。
映画の最後は「この映画はフィクションである」と断っているので、JALが訴えてきても
ギリギリだが逃げ切れるような感じがした。
それなのになぜ「御巣鷹山」の固有名称や「JAL123」などは変更しなかったのだろう。
「フィクションということだけれど、実は本当の話なのよ」って主張している感じがする。
豪華俳優が頑張っていた。恩地さんを演じた渡辺謙さんは当然素晴らしいくカッコいいのだが、
実はこの恩地という男、それほど凄い事をしていたと思えない。
東大法学部卒業の超エリートが航空会社に入り、労働運動して報復人事で
カラチやテヘランやナイロビに送られてしまう。家族も苦労があり大変だと描かれる。
僻地勤務がとても悲惨なこととして表現されているのだが、
恩地さんなら普通のサラリーマンの3倍くらいの収入だろう。
それに私にしてみたらカラチやテヘランなんかに、飛ばされたら結構楽しいね。
出世街道から外されるという悲しみは、私のような元々まっとうなレールを歩いていない者にとっては
理解しにくい。
もっと会社の不正などを恩地が自己犠牲しながら暴いていくというのなら、恩地が好きになるのだが、
結局、高給もらいながら事故の遺族回りしている仕事なんて、私もやりたいほどよ。
ともかく渡辺謙さんがあまりにカッコよすぎて、つまり存在そのものがヒーローになっているから、
そこの偽善性になかなか気付きにくい。
政治がらみのストーリーが、この映画の肝だと思うのだが、原作を読んでいない私は把握しきれなかった。
お話を詰め込みすぎて説明不足になっていると感じた。
御巣鷹山に墜落するまでの機内の様子が迫力あってよかった。
亡くなった方々の無念さをあらためて感じることができた。
ラストシーンはアフリカなのだが、展開として無理やり感が拭えなかった。
と色々書いたのですが、観て損はないですし、長い映画ですが飽きることは無かったです。
大変なご苦労があって映画化が実現したということです。日本映画の歴史に残る作品でした。