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ディレクター込山正徳の個人的ぼやき


by papanamida

「沈まぬ太陽」はフィクションなのか。

映画「沈まぬ太陽」が話題ですよね。
ちょうどJALの再建に国がどう関わるか、など現実にも問題山積で上映時期が実にタイムリーです。
かなり骨太な作品のようで、観るのを楽しみにしいいます。

ちなみにこの映画の監督・若松節朗氏は、私原作の「パパの涙で子は育つ」のドラマ化の時、
監督してくださった方です。
ドラマ化の制作前、一度、コキタナイ我が家にも訪問され、
シングルパパ時代のことなど細かく質問されました。

現場に足を運び、実感されてから映像化したいという想いがあったのでしょう。
足の踏み場も無く、不衛生で伝染病がうつりそうな、子ども部屋も視察されまして、
どんなにシングルパパ時代が悲惨であったかを感じておられました。

撮影スタジオやロケ現場にも、何度もお邪魔させていただき若松監督の演出ぶりを
拝見させて頂きました。
とても柔軟な方で、プロデューサーからの度重なる編集変更要請にも、嫌な顔は見せずに
対応されていまして、人間ができた方だなあ、と思ったものです。
若松監督は大学の先輩でもありまして、このように活躍されていることはうれしい限りです。

今回の「沈まぬ太陽」も20回以上脚本を書き直したり、関係者への配慮なり、
映画化までのご苦労は大変なものであったでしょう。

お疲れ様でした。

それにしても、誰もが、知っている事件、関係者などがいる中、
「実名でないのでOK」「これはフィクションですから」
ということでどこまで、乗り切れるのでしょうか。ちょっと疑問が残ります。

日本航空は
「ご遺族の中には映画化を快く思っていない方もいらっしゃる。
すべてのご遺族の心情をきちんと汲んで欲しい」
と映画化反対のコメントを出している。
また、日本航空から角川に対し
「名誉毀損の恐れがある」と警告文を2度送っているという。


でも作り手は、描きたい。
そして観た人には、フィクションでなく事実として受け取って欲しい。
クレームが来たら、「いやいやいや、これ作り物ですので・・・・」と言って逃げ切る。

うーーーん。なかなか難しいですね。

描きたいという力が勝っていれば、やってもいいことだと思います。
でも法的に訴訟起こされて、賠償金を払う羽目になったら、と思うとなかなか決断できませんよね。

そうゆうことも含めて、観てみたい作品です。
by papanamida | 2009-11-01 22:33